私自身子供のころから留学に対する憧れはずっとあったので、高校1年と大学3年の時にアメリカに留学しました。今現在住むカリフォルニアには日本人が多く住んでいて、永住組のほとんどが、もともとアメリカに留学していてその後永住することになった人ばかり。
留学したい!と思っても、何を目的にどこに行くかとなると、かなり迷う要素があるのですが、経験上お伝えできることをお伝えしたいと思います。
目次
留学目的がないと留学する意味が無い?
留学したい!と思った時点が小中学校時代の場合と、大学院もしくは社会人時代の場合で当然留学目的は違うはず。ですが、当時の私のように漠然と留学すること自体に憧れているだけで、具体的に何をしに行ったらいいのか分からない場合どうしたらいいんでしょうか。
そもそも自分がどうして留学したいのか?
海外留学は色んな形態があり、行き先も期間も実に様々。あまりにも選択肢が沢山あって、逆に何のために留学したいか目的を見失うことも。
留学は大事な資金と時間を使うので、じっくりと一つ一つ以下の項目について考えてみましょう。
留学によって得られるもの
以下のリストは、留学先での学問的に得られるもの以外で、どんな海外留学でも共通して得られるものです。
- 語学力向上
- 海外の人と知り合いや友達になれる
- 自分の中で今まで知っていた世界や常識が変わる
- 新しい環境への適応能力やサバイバル能力が着く
- 食の嗜好が広がる
- 自立する
語学力向上
留学する期間の長さや行き先によっても違いはありますが、ある程度その語学力の下地があれば留学をすることで語学力は大なり小なり向上します。問題は、留学によってどの程度の語学力向上を目指すかですね。
留学する前にある程度集中して英会話スクールで英語を学んでから行ったのが良い下地作りになっていたと思います。
海外の人と知り合いや友達になれる
留学先には現地の人だけではなく他の国から来ている生徒たちもいます。それまで自分が日本で日本人の中だけで生きてきてると、海外の人と触れることは緊張もするし、同時にとても楽しい経験となります。そういう様々な国の人たちと接することで、それまでの日本で当たり前だったこととかが、世界では当たり前じゃないんだなぁと気づかされたりします。これはその後の人生で非常に大切な経験となります。
自分の中で今まで知っていた世界や常識が変わる
上記にもあるように、海外の人と接することで自分の世界観が変わるという話はしましたが、外国に住むことで見えてくる現地の人たちの風習や、考え方、マナー、価値観などは、それまで日本で育ってきた自分の中での常識や価値観を急に変えることがあります。
たとえば、日本人だったら周りを気にして自分の意見をはっきり言わないところを、外国の人たちは堂々と自分の意見を述べます。明らかに間違っていると思うような意見も、億することなく堂々と口にできる人たちを目の前にして、自分は普段なんでこんなに周りに気を使って生きているんだろうと気付かされます。
新しい環境への適応能力やサバイバル能力が着く
誰でも全く初めて足を踏み入れた環境では、右から左まで分からないことだらけで慣れるまでには時間が必要ですね。海外留学をする時、先ずさいしょの壁は、慣れない国で生活をスタートすることです。
大学寮での生活なのか、ホームステイなのか、アパートを賃貸して住むのか、など様々ですが、どの場合でも、現地の人としっかりとコミュニケーションを取って、何をどうやったら良いのか一つ一つ理解しなくてはなりません。
その労力はとても掛かるし、何といっても言葉の問題で、間違って理解してしまうことも多々あり、そのせいでスムーズに生活がスタートできないといったことが多々あります。気持ちの上でもとても緊張している段階なので、自分の寝場所が出来て一通りの生活が形になるまでなかなか大変なもの。
学校に行けば様々な手続きがあるし、クラスメートにも慣れなくてはなりません。
そういった一連の流れを異国の土地で一回経験すると、自分がどんな環境でも順応できる自信が着き、現実、その後の人生において、新たな環境に身を置く時に、自分の適応能力が高いと気付かされます。
これは非常に大きな強みとなってその後の自分の人生を支えてくれるでしょう。
食の嗜好が広がる
日本国内にも今では様々な国籍料理を食べられる機会が増えました。ですが、やはり海外留学中はその国の食生活となることがほとんどで、その中で自分が好きになれる食べ物を見つけることができたらラッキーですね。
たとえばアメリカだったらピザとかハンバーガー、メキシカン料理など。デザート系だってとても甘いものばかりだし、さいしょはあまり口に合わなくても徐々に慣れて美味しく感じるようになったら、食の嗜好が広がったことになります。
私自信、高校1年生の時に、ホームステイ先の家庭料理がどうしても不味く感じて全然食べたくなかったのですが、ある日突然、「ん?これ美味しいかも」って思った事がありました。それを機に、急に他のものも美味しく感じることが出来て、あの瞬間、自分の味覚が進化したと思いました!
自立する
海外留学中は、頼る人がおらず自力で動いて何とかしなくてはいけない場面が多々あります。それこそ留学先を自分で調べて行くのが普通ですから、そこから既に自分が責任を持って手続きを進めているはずです。
現地についてからも、自分を守るのは自分だけなので、しっかりと周りの人たちとコミュニケーションを取らないと自分がとんでもない目に遭うリスクがあります。留学中は孤独に戦うこともあります。大なり小なり問題を乗り越えるほどたくましくなるし、結果的に自立することになります。
留学目的がないまま留学して後悔する理由5つ
- イマイチ語学力が伸びなかった
- 途中で留学先の勉強に興味を失くしてしまった
- 留学で思ったよりもお金を使ってしまった
- 留学したことがその後の進学や就職にメリットにならなかった
- 日本の進学や昇進に悪影響があった
以下に一つずつ見ていきましょう。
イマイチ語学力が伸びなかった
海外留学するということの最大の目的は殆どの場合、外国語の語学力UPを期待すると思います。アメリカに行けば否が応でも英語は話さなくてはいけないだろうし、学校の授業も英語だし、当然帰国するまでには随分と英語が上達するだろう、と。
なのに実際一年も語学留学でアメリカに滞在していたのに、対して上手にならなかったという人はたくさんいるんですね。それはどうしてかというと、留学中の過ごし方が問題なんです。
語学留学だと当然クラスメートも現地の人ではなく外国人だけ。その学校にもし日本人がたくさんいたら、どうしても日本人同士で固まってしまうものです。本来しっかりと、自分はここまで英語を上達するぞ、という目的が明確な人だったら、そのためには自分はあえて日本人の輪に入らないようにして、他のクラスメートや先生たちと親しくしたり、その学校に他のアクティビティがあればそこに積極的に参加して、て少しでも英語漬けの生活を送ろうとします。
留学期間中の意気込みはやはり本来の目的意識があるかないか次第なんですね。留学期間中はどうしても心細くなるので、同じ日本人の輪が心の頼りになってしまいがち。でもそこは本来の目標のために頑張ろうと気持ちをしっかり割り切った人の方が結果的には留学で得るものは多いのです。
途中で留学先の勉強に興味を失くしてしまった
自分がもともとじっくり選んだ留学先に実際に留学しに行っている期間中に、段々とその勉強の内容が嫌になってしまうケースがあります。一つの理由は語学力含めた内容が難しくてくじけてしまうケースと、思っていたものと違っていたという、期待外れだったというケース。
確かにそういう心の迷いは在学中に誰でも一度は経験すると思いますが、そもそも留学する目的・目標をしっかり設定していたら、多少気持ちが揺れることはあっても、本来の目標達成の為に頑張りきれるはずです。
私自身の後悔話
アメリカに大学3年次留学しましたが、留学先では一般教養の科目を取りました。
その中で最も苦痛だったのはアメリカ史の授業。とにかくアメリカの歴史なんてチンプンカンプンだったし、宿題も膨大で苦しくて心が折れそうになったことは何度もあり、どうせここで学ぶことなんて将来何の役にもたたないし、もうこんな程度でいいやっていう気持ちがありました。
成績は何とかぎりぎり単位が取れたくらいだったんですが、あの時に留学目的として、将来大学院への留学を目指す為に一定以上のGPA(Grade Point Averageといって学力を測る指標)を取ることを決めていたら、もっと留学中の勉強を頑張ったのになっていう苦い思いが未だに残っています。
留学で思ったよりもお金を使ってしまった
海外留学はまとまった資金が無いと行けないものですが、今では色んな国への留学が可能でコストの安い国から高い国まで色々ありますし、留学できる学校やプログラムも五万とあります。
留学目的が「ビジネスで使える英語力をこのレベルまで上げる」とした場合に、コストのかかるアメリカやイギリスではなく、フィリピンなどの国の方が圧倒的に安くできます。
これだけ資金を掛けて留学しても、外食や遊びなどの様々な誘惑があったり、祝日や長期休みが入ったときに旅行すれば思っていたより費用が膨らんでしまい、もともと計画していた出費を大きくオーバーすることも。
また、留学期間中に、他のプログラムにも目移りして、滞在期間を延ばしたり、他のプログラムへ移る人も中にはいます。そうなると、どんどん費用と時間が掛かります。
留学というのは本来目的が明確にあって、事前に決めている期間とその価値に見合う投資額で行くべきものです。
留学したことがその後の進学や就職にメリットにならなかった
留学するタイミングというのはなかなか難しいですよね。学生の短期留学が一番行きやすいと思いますが、年単位の留学となると、その先のことまで見据えてかなり慎重に計画をしないといけません。
短期留学でも在学中の学校や在籍中の会社で休みをそれだけ取っても元の場所に戻れるかによりますし、会社の場合、なかなかそんなに休みを取れるケースはないので、退職してから留学する人が多いです。
例えば大学2年次に留学するために一年留年すると決めた場合。本来4年間で大学を終わらせる以上に、その留学した一年で自分が特別身に着けたものが特になければ、就職に特にメリットになるようなことはありません。
日本の進学や昇進に悪影響があった
高校や大学では海外留学は基本的に休学扱いです。(交換留学を除いて)
高校で留学する場合日本の高校での勉強に遅れが生じ、大学受験勉強で大きく後れを取ることがあります。大学の場合は留学した期間分留年することになります。留学して日本に帰国後、日本の勉強をどのように取り返すのかが事前に決まっていなければ、戻ってきてから苦労してしまうことがあります。
また、企業で務めていて仮に休職して留学できた場合に、帰国後自分の元いたポジションに戻れなかったり、居場所がなくなっている場合が多々あります。
まとめ
いかがでしょうか?
留学は決して安い投資ではありません。それだけの費用と期間を費やすために、将来のことを見据えてしっかりと留学の目的を洗い出して最適な留学プログラムを選んでくださいね。
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